いつでも眠い

夢の記録。夢なので乱文で、こっ恥ずかしいです

伝説の蜂を探す夢

 

 研究者は、伝説の蜂を探していた。

 古い文献によれば、「九つの印」の先に「大木」があり、そこに幻の蜂が潜んでいるという。調査員達は何十年もかけてその大木を探していた。おそらくアジア圏の森にはもういないのではないかといわれていた。アジアに派遣された調査団は、既に心のなかでは諦めていた。アジアにいる限り、我々が蜂と出会うことはないであろう…。

 

 アジアの森という森を調べ終えた調査員達は、まさかいるまいとは思いつつも、最後に都内近郊のテーマパークに隣接する小さな森へ向かった。近くには数千年前の貝塚もあった。僅かな希望を胸に、必死に様々な木の幹を調べたが、見つからない。誰も口にはしないが、調査員達の間には疲労感と諦めが漂っていた。

 

 すると、現地に住んでいる中年男性が彼らの前に現れ、おもむろに言った。

 

「『九つの印』を探してるんだろ。俺、そういうの見つけたことあるんだぜ」

 

 さも自信ありげだった。実のところ、こんな話は嘘であったが、疲労困憊していた調査員達は突然現れた希望を信じ、目を輝かせたのだった。男は鼻高々に冒険譚を語った。当初は、名誉心と自己顕示欲がくすぐられる横で、ばれたらまずいという気持ちもあったが、調査員達に尊敬と無垢な眼差しを向けられるにつれて、罪悪感は薄れていった。むしろ、自分でもまるで本当にあった事実のように感じられた。

 

 しかし、嘘はいつか明るみになるのは世の常であって、ふとしたきっかけでばれてしまった。調査員達の激怒と絶望をぶつけられ、男は自業自得ながら失意にくれていた。ある時、たった一人になってしまった森をブラブラと歩いていると、調査員達が散々血眼で探していた、あの『九つの印』と思われるものを、森の隣にある貝塚近くの白い壁に見つけた。男はハッとした。大木だといわれていたから森の樹ばかり探していたが、文献ではたしかに、『九つの印』の先、といっただけで、その印が樹にあるとは書かれていないのだ。数週間の間調査団と共に生活していたおかげで、男は伝説の研究に詳しくなっていたのだった。

 

 高鳴る胸をおさえ、印の先に進むと、何千年もの年輪を重ね、樹液とは違う不思議な蜜が固まったせいでキラキラと輝く大木を見つけた。近づいてよく見てみると、異様に固めた蜜によって穴を塞いだ跡があった。安易な気持ちでその蜜を剥がして、穴をこじあけた。すると、小さな蜂がその穴から一斉に飛び出したのだった。それは蜂というよりも蟻のような小ささだったが、数えきれない小型蜂が黒い塊となって男を襲った。耳や鼻の中に入って人を殺す、殺人蜂だった。

 

 私はその頃、教職の実習で、母校である都内の小学校にいた。政府から、殺人蜂について緊急にメールが入った。他の実習生と手分けをして、急いで各階の授業中の教職員に知らせて回った。とにかく生徒を校舎内に避難させ、窓を閉めなければ。どうしていいのかもわからないまま、校庭にいた小学生を屋内に引きずり込んだ。すでに都内で何百人もの人が、蜂の襲撃によって倒れているようだった。私は耳をぎゅっと両手で塞ぎながら奔走したのだった。

 

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話の最後の最後に私が出てきた。蜂が怖かった。