いつでも眠い

夢の記録。夢なので乱文で、こっ恥ずかしいです

カフェの夢

 今日の昼寝で見た夢。

 

 友人と2人で、都内のお洒落なカフェに行った。豆カレーの有名なお店で、細長い小さなビルの上階のテナントを借りている。芸能人もよく食べにくるそうで、昼過ぎなのに長蛇の列だった。1時間近く並んで、ようやく席に案内された。一番奥の席で、二人掛けのテーブルが5つほどの、狭い店である。評判の豆カレーを注文し、食べ終わると、後ろにまだ並ぶ人がいたので早々に店を出た。出口は入り口の反対側で、階段を下りなければならない。

 

 階段を下りる途中の3階で、小さな写真展(個展)が開かれていた。思わず覗いてみると、山や動物、空など、自然の写真がほとんどであり、心地よさげな写真に私は心打たれ、じっくりと写真を眺めていた。友人はあまり写真自体に興味はなさそうだったが、部屋の中央の動物の赤ちゃんとの触れ合いコーナーで足を止め、遊んでいるようだった。

 

 写真を眺めながら、思わず「ほんとうに凄い」と呟くと、後ろから「ありがとうございます」と低く快活な声がした。びっくりして振り返ると、この古典の主催者である写真家がにっこりと立っていた。彼は背が高く身体は絞られて無駄な肉はなかった。よく焼けた小麦色の肌に、高山特有の強い紫外線で鼻の頭と頬が黒ずみ、四肢や顔のあちことに傷痕があった。しかし、人懐こい笑顔の眩しい、太陽のような人だった。写真に夢中で、誰の個展か確認していなかったのだが、実は有名な登山家が趣味で撮った写真が巷で評判となり、開催した写真展だったのだ。

 

 彼のことはもちろん私も知っていた。むしろ、ファンと言っても過言ではなく、

彼の著書はどれも好んで読んでいた。 

 

「うわあ、○○さんの写真展だったんですね!実は、○○さんの個展だと知らないまま、階段から見えた写真に惹かれてフラフラ入ったんですけど・・・どの写真も本当に素敵で、思わず見入ってしまいました!」

「ほんと?そういってもらえると嬉しいなあ」

 

 ニカッと笑うと、白い歯がのぞいた。熱に浮かれたように調子良く喋り続ける。

 

「あの、私○○さんの大ファンで、本も全部読みました!」 

「え、うそ!うわあ、そういう言葉、あんまり聞いたことないから嬉しいな~~!ほんと、そんなに言ってもらえて光栄です。ありがとうね」

 

 眩しい笑顔と 社交辞令にも浮かれてしまう。

 

 この登山家は、数年前にエベレストの単独登頂失敗で、右腕と左脚を失っていた。不謹慎ながら、その事実がふいに気になってしまい、彼の半袖、半ズボンから伸びる手足をチラリと見てしまった。しかし、義足のつなぎ目などはうまく隠れていて、傍目から見てもよくわからなかった。大変だっただろうな、と思いつつも、その大怪我をも乗り越える精神力と努力を、私は日ごろから尊敬していたのだった。好奇心で身体を見たことを恥じながら、他にも色々な写真を見ていると、偶然、彼の奥さんが様子見に会場を訪れたのと遭遇した。

 

「わあ、盛況ね~~!」

 

 とても可愛らしい、ショートカットの似合う、笑顔の魅力的な女性だった。彼女は普段メディアに出ないので、偶然にせよ滅多に見れないことだった。

 

 へえ~、彼の登山やリハビリを懸命に支えていた奥さんって、あんなに華奢で可愛らしい人なんだ~。お似合いだな~!と眺めていると、ふいに背中を 叩かれた。振り向くと、外国人風の金髪の女性と、日本人の中年の女性が立っていて、こっちへ来るように手招きされた。中年女性は、かすかに見覚えがあるように感じた。不思議に思いつつも、招かれるままに部屋の隅に行くと、突然金髪の女性が私の首筋に顔をうずめたのだった。

 

 え!?と思い、抵抗しようと身を捩ったが、思ったよりも強い力で抑えつけられていたらしく、身動きが出来ない。私がこのとき一番気にしていたのは、こんな状況に陥ったことよりも、先程カフェで食べたカレーの匂いが、おそらく髪や服にもついていることであった。

 

「カ、カレーの匂いが…!あ、あの……!!!」

 

 弱々しく主張したが、女性たちには取り合ってもらえなかった。しばらく首筋をかがれたあと、ようやく押さえつけられていた手が離れた。

 

「この子は、大丈夫」

 

 白人の女性は流暢な日本語で、そう言いきった。まったく状況が掴めないまま、どういうことですか、と訳を訊ねると、傍らに立っていた中年女性が口を開いた。

 

「私たちは、新しいお嫁さんを探しているの。実は、あの子があの女に騙されているんじゃないかと思っているの」

 

 白人女性は、人の首筋の匂いを嗅ぐと、その人間の本質がわかるようだった。突拍子もない発言にギョッとして、思わず遠く離れたところにいる彼と奥さんを眺めた。和気藹々と、仲良さげに話す二人は、どう見てもおしどり夫婦だった。彼女たちの言うような、夫を騙す悪女には見えなかった。

 

「勘違いとかじゃないんですか。○○さんのエッセーを読みましたけど、奥さんがずいぶん闘病中もリハビリも支えてあげてたみたいじゃないですか。そんな人が、騙すなんて・・・」

 

 中年女性は、違うのよ、と苛々した面持ちで首を振った。

 

「私もそう思って一緒に何年も生活していたんだけど、あの子の登山中に、あの女、浮気をしていたみたいなの。新しい男との生活にはあの子が邪魔みたいだったのよ。そしてあの滑落事故が起きて、運悪くあの脚の切断手術をした医者が、その浮気相手だったのよ。詳しい説明もないまま、登山家として再起できないような手術をされたの。私達は、あの女と浮気相手の二人が企んで、あの子を山に登れないような身体にしたことに、その時気付いんだけど・・・」

 

 私は、その衝撃的な話を聞いているうちに、この女性があの登山家の母親であることに気付いたのだった。

 

 こんな安っぽいメロドラマみたいな話があるのだろうかと、もう1度遠くで楽しげに笑う奥さんを横目で眺めたが、どうにも、今聞いた話と彼女のイメージがつながらない。本当だろうか。

 

「だから、あの子を支えてくれる新しいお嫁さん候補を探しているの。あなた、なってくれない?」

 

 真剣な顔で提案されたものの、どうしていいのかわからず、大げさに手を振った。

 

「そんな、できません。○○さんにとって、彼女は大切な人なんです。そんな、無理です」

 

 

―――――――――――

 

ここで起きた。

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