いつでも眠い

夢の記録。夢なので乱文で、こっ恥ずかしいです

好きな男の子に彼女ができる話

 

 3年ほど前に、美少年風の童顔で可愛い、私の好みド真ん中の男の子と友達になった。私は彼と非常に仲が良く、もう一人の女の子も加えていつも3人で行動していた。私は男の子のことがずっと気になっていたものの、彼にずっと恋人がいなかったこともあり、たいして深く考えていなかった。しかし、顔も良くて雰囲気もフェミニン、実際に誰にでも優しく誠実な彼に今まで彼女がいなかったことの方がおかしく、やはり陰では非常にモテていた。

 ある時彼は、女子校に通う一人の女の子からラブレターを貰った。実は彼自身そういったことは初めてであり、浮かれたように喜んだ。

「みてよー!こんなの貰っちゃったんだよ!」

 一目で一生懸命書いたとわかる可愛い手紙を私に見せびらかした。まさかこんなふうに彼が誰かのものになるなんて思ってもおらず、思いのほかショックを受ける自分にびっくりする。気楽に構えすぎていたせいで、私は3年もの時間のなかで、彼に対して何もアクションを起こしてなかったのだった。

 彼は本当にうれしそうだった。いい子そうでしょ、ねえどう思う?と弾んだ声で私にたずねる。そんなこと私に聞かないでよ!とも思ったがもちろん、無視したり、ましてや彼女を悪くなど言えるはずもない。文面からも可愛らしい人柄が伝わってきたので、おどけたように彼の肩をつついた。

「え~、いい子そうじゃ~ん。よかったねー!わたしの彼女にしちゃいたい~!」

 やめてよね~、俺の可愛い彼女、あげないからねー!と彼もふざけた。

 自分が彼に対して何も行動しなかったことは悔やんでも悔やみきれないが、もうどうすることもできない。彼のことをこんなに好きだったと、こんなことをきっかけに気付いても遅かった。でも、そんな気持ちとは裏腹に、思いのほか焦ってはいなかった。友達と彼女ではまったくの別物なのに、やはり仲の良さでは私の方が上だ、という気持ちがあった。しかし、彼は他人のものになってしまった。

 そういえば、彼女のラブレターには色々なイラストが描かれていた。一世一代の手紙に描くのだから、絵には自信があるのだろうが、殊の外、その絵が稚拙なことに気が付いた。ふぅん…と眺めていると、手紙の字も、女性としてはたどたどしく幼い部類なことに気が付いた。

 そうやって彼女の劣った部分を無意識に探し出していたが、彼女の手紙には、転校してきたばかりであることや、通学中に一目惚れしたこと、こんなに人を好きになるのは初めてであることなどが一生懸命に書かれていた。やはり真面目な雰囲気が伝わってくるので、どうにも彼女のことを心から悪く思えないのだった。それに、彼がこの女の子のことを好きである以上、私が嫉妬しても意味がなかった。

 

 彼は、坂を上った先にある「ポプリ荘」という学生寮に住んでいた。そういえば、彼がいつか欲しいと言っていたものが手に入った。私は外出するときはいつもお洒落なファッションと隙のないメイクをするものの、彼に会うと思うと、なんだかわざわざ着替えるのが億劫になった。まあアイツだからいいかと、部屋着にノーメイクのまま気軽に外に出て、彼の寮まで歩いた。彼にあげるものをタコ壺に入れて小脇に抱えながら、傾斜の急な坂をサンダルでのぼっていると、他の大学の学生寮の男の子達と何度も遭遇した。しまった、やっぱりちゃんと可愛い恰好すればよかった!と後悔するのだが、とにかく彼に渡してあげなくちゃ、と歩きを速めた。

 ポプリ荘の門前に着いて、彼を呼び出そうとiPhoneのアドレス帳を開いた。いや、LINEのほうがいいかも、と画面をいじっていると、ふいに、なんだか小恥ずかしいような、不愉快なような、なんとも言えない気持ちになってしまった。せっかく来たのに、そのまま何も言わずに、来た道を引き返して、さっさと家に帰ってしまった。

 家に帰ると、何かから避難してきた親子が家のリビングにいて、親が困ったような顔をしていた。

 

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男の子は、リボーンのバジル君と、黒子のバスケの桜井君に似ていた。本当に好みのタイプだったけど、当たり前だけど現実にはあんな人いないと思うと悲しい